足利市緑配水場

洋館風の水道山記念館[窓からの展望が素晴らしい](近代水道百選)
 足利市の水道は、昭和5年(1930) 12月に完成し、昭和6年(1931) 4月から給水を開始しました。
 水源は今福地内の渡良瀬川左岸堤防法先に集水管を埋設し、集水井を経て、今福浄水場で滅菌処理された浄水をポンプにより、緑町配水場へ送水され、ここから市内に配水しています。
 庁舎内に展示されているポンプとモーターは、創設当時の今福浄水場に設置された3台の中の1台で、今は足利市水道事業のモニュメントになっています。
 緑町配水場の一角にある水道山記念館は、創設当時の管理棟で、洋瓦ぶき木造平屋建(200㎡)の建物です。この一室には、昭和9年(1934) 11月に昭和天皇が足利市に行幸なされ、配水場から市内を一望された折りの御座所が当時のまま保存されています。
 昭和60年(1985)には、明治20年(1887)日本で初めての近代水道が横浜に設けられてから100年になることを記念して、豊かな緑に包まれ、四季折々の変化に富んだ環境のよさ、景観の素晴らしさを備えた価値ある施設として、「近代水道百選」に選ばれました。
 さらに、国の文化審議会は、平成17年11月18日、緑町配水場水道記念館を国登録有形文化財に指定するよう答申しました。






配水場全景(眼下に足利の街並みが開けています)
足利市水道事業のモニュメント
 このポンプとモーターは、創設当時今福浄水場に設置されたもので、昭和51年(1976)まで緑町配水場へ送水用として運転していたものです。現在は、足利市役所内に市水道事業のモニュメントとして展示されています。
ポンプ 
  2段タービンポンプ 内径180mm
  揚程 45m 揚水量 3.2㎥/分 
               日立製
モーター
  巻線型モーター 37.3kw
  電圧 3,000v 極数4 
               日立製

監視通路
幅  :4尺8寸(1.454m)
高さ :6尺(1.818.m)
上部(円拱形):2尺4寸(0.727m)

 昭和9年11月16日に昭和天皇が行幸なされ、配水場から市街を御展望あらせらる。
(昭和9年陸軍特別大演習竝地方行幸 足利市記録) 


陛下が市街を眺望された記念の場所


陛下の御座所 
(昭和9年陸軍特別大演習竝地方行幸足利市記録)

配水場造成工事  
(昭和4年10月) (足利市水道部)
所 在 地    足利市緑町
管 理 者    足利市
建設時期   昭和 6年(1931) 4月給水開始
用途・目的   上水道、配水場
規   模   接合井 : 鉄筋コンクリート造
         配水池 : 鉄筋コンクリート造
                有効容量 1,700㎥×3池
         給水量 : 12,300㎥/日(平成10年度実績)
         給水人口 : 約30,700人/日(平成10年度実績)
案 内 図

参考文献
足利の水道・足利市水道部庶務課
足利市水道小誌・足利市役所
昭和9年陸軍特別大演習竝地方行幸・足利市役所


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