晩翠橋


 ライトアップされた晩翠橋(白色灯に照らされて夜空に浮かぶ姿が、幻想的な雰囲気を醸し出しています。)(土木学会選奨土木遺産)
 晩翠橋は、那珂川の清流と岩上老松の美しさとあいまって、その姿の美しさから現代の名橋百選にも選ばれ、那須塩原市の代表的な構造物として、市民に親しまれています。
 明治に入り、ここを通る道が国道4号となり、木造の橋が建設され、晩翠橋と名づけられましたが、大水で流される度に架け替えられました。
 現在の橋は5代目となり、昭和6年(1931)から7年にかけて、国道路線変更工事により、この位置に架け替えたもので、橋長 127.8m、幅員 8.7mの3径間バランスドアーチ橋として、水面からの高さが約 23mあり、力学的に最も安定した近代的な姿に変わりました。
 土木学会は「日本の近代土木遺産」の中から、本県では初めて晩翠橋を平成14年度(2002)の選奨土木遺産に認定しました。
 市は晩翠橋のイメージアップを図ろうと、1,000hのハロゲンライト16台を設置し、白色灯に照らされて夜空に浮かぶアーチ型の橋は、幻想的な雰囲気を醸し出しています。
 ただし、この橋を車で通過するだけの人には、その美 しさを感じる機会がないのが残念です。
 大出京子著「晩翠橋を渡って」(日本随筆家協会発行)は、渋沢秀雄賞受賞の随筆集です。


初代晩翠橋
 
(「とちぎ明治の森記念館」展示)

2代目晩翠橋
 (「とちぎ明治の森記念館」展示)


3代目晩翠橋
 (「とちぎ明治の森記念館」展示)

4代目晩翠橋
 (「とちぎ明治の森記念館」展示)

現在(5代目)     晩翠橋 繊細にして美しいブレースドの魅力がいかんなく発揮されています。

側 面 図                                

(栃木県橋梁現況調査表)


所在地      那須塩原市橋本町・那須町高久甲(那珂川)
管理者      栃木県
建設時期    明治17年(1884) 木橋(初代)
                (明治23年 流失)
          明治27年(1894) 木橋(2代目)
          明治41年(1908) 架け替え(3代目)
          大正12年(1923) 架け替え(4代目)
          昭和 7年(1932) 現橋完成 (5代目)
用途・目的    道路橋(主要地方道 西那須野那須線)
規   模    橋長・幅員:127.80m×8.70m
          支 間 割 :28.00+70.00+28.00
          形式:上部工  上路ブレースドリブ・ 
                    3径間バランスドアーチ橋
              下部工  直接基礎
案 内 図
参考文献
黒磯市誌・黒磯市誌編さん委員会
那須野ヶ原の道・那須野ヶ原の道編集委員会
日本の名橋100選


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