箒川橋梁

哀惜の花咲く百日紅
箒川列車転落の供養碑
「為汽車顛横死諸落亡霊菩提」の碑
 東北本線の栃木県でおこった、日本の鉄道史上最初の大惨事というのは、明治32年(1899) 10月7日、この日は台風のため朝から大雨が続いていました。上野11時発の福島行第375列車は、約1時間ほど遅れて午後5時ごろ矢板駅を発車し、箒川の鉄橋にさしかかった時、突風にあおられ、機関車と貨車の連結器がはずれ、川の中へ転落した事故です。
 列車は、機関車2両の次に貨車10両と客車8両が連結されており、転落した客車も貨車も激流の中に砕かれておし流されてしまい、まったく凄惨な状況でした。この事故で死者19名、負傷者38名の遭難者をだしました。増水のため死体は烏山付近まで流れていきました。
 この時の風は北西,瞬間最大風速27〜28m/secと推定されています。
 現在、箒川を渡って左側に2基の供養碑が立っています。一つは南無阿弥陀仏、もう一つは昭和6年10月に33年忌法要のときに建てられ、それ以来継続して法要を行っており、鉄道交通の安全を祈願しています。


今日も鉄道交通の安全を願いつつ鉄橋を渡る急行列車


石と煉瓦で造られた素朴な壁式橋脚
箒川列車転落事故を報道した記事明治32年(1899)10月8日付け、下野新聞号外
                (宇都宮市立図書館)

「南無阿弥陀仏」の碑」

(JR東日本 宇都宮保線区)


案 内 図
所 在 地  
管 理 者   
建設時期   
用途・目的

規   模     
大田原市薄葉・矢板市土屋(箒川)
JR東日本
明治19年(1886)10月 1日開通
鉄道橋[東北本線(愛称・宇都宮線)
     矢板〜野崎間]
橋長・単複の別:322.742m 単線(上下線複線)
径間数・支間長:14×22.911m
形式:上部工 上路プレートガーダー橋
    下部工 煉瓦造
参考文献
宇都宮駅100年史(宇都宮駅開業100周年記念)・宇都宮駅100年史編集委員会
栃木県鉄道史話・大町雅美

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