那須塩原市(旧黒磯市)鳥野目浄水場

  黒磯市水道事業、歴史のシンボル配水塔
 那須塩原市(旧黒磯市)は、明治時代の開拓によって急速に開かれた地です。そして、開拓の歴史は、水利確保の歴史でもありました。明治18年(1885)、日本三大疏水の一つとして知られる那須疎水が完成し、今日の水道の礎をなしたのです。
 初め那須疎水から雑用水道を敷設し、長く使用してきましたが、水量が十分でなく、伝染病の発生や昭和6年(1931)の黒磯駅前大火を機に、雑用水道を上水道に切り替えるため、那珂川沿岸一帯を調査した結果、那須疎水第一分水を取水口として、昭和9年(1934) 2月に着工し、同年9月に給水を開始しました。県内では、宇都宮市・足利市に次いで三番目に早かった背景には、旧黒磯市が那須御用邸の玄関口であったことも見逃せません。
 昭和53年度(1978)からは、県水導入を機に「市民皆水道」をめざして、平成12年(2000) 1月には黒磯上水道第5次拡張工事に着手し、計画給水人口61,400人の施設整備を進めています。
 現在、鳥野目浄水場に残っているものは、創設当時に造られた配水流量計(配水塔)がシンボルとして、その姿をとどめています。


浄水場全景

緩速ろ過池
 現在、創設当時のまま残っている施設は、この緩速ろ過池と配水池だけです。

 水道水取入口(那須疎水第一分水工の直上流より取水)
取入口
   鉄筋コンクリート造
     形 状:内法 1.200m×1.900m×2.850m(高さ)
     導水口:φ500㎜
     取水量:17,280㎥/日

        
            平成2年度(1990)施工
東北道を渡る分水橋
 那須疎水導水管(ダクタイル鋳鉄管) φ500㎜と、北那須水道送水管(ダクタイル鋳鉄管) φ350㎜を添架しています。
            昭和48年(1973)10月建造
ろ過池の建設工事 
 昭和9年(1934)
  (水をつくって・守って・送って50年)



所 在 地     那須塩原市東原
管 理 者     那須塩原市
建設時期     昭和 9年(1934) 9月給水開始
用途・目的     上水道、浄水場
規    模    緩速ろ過池 : 鉄筋コンクリート造、
                     深さ3.3m~3.6m
                     ろ過面積 216㎡×3池
                           260㎡×3池
           急速ろ過池 : 鉄筋コンクリート造
                     4.0m×5.6m×6.7m×4池
           配水池容量 : 10,000㎥(8池)
           計画給水人口 : 50,000人
           給 水 能 力 : 31,919㎥/日
           最大配水量 : 25,071㎥/日
案 内 図

参考文献
黒磯市の水道・黒磯市水道部水道課
「水をつくって・守って・送って50年」黒磯市水道創設50周年記念誌・黒磯市水道部


目次に戻る 次は足利市緑町配水場へ